デイサービス看護師の判断を支えている基準とは?|迷ったときに立ち戻る考え方

判断・対応の考え方

この記事では
現役デイサービス看護師の牡丹(ボタン)が、

現場で大切にしている判断基準について書いています。

デイサービス看護師の仕事は、
「処置」よりも「判断」が中心です。

医師が常駐していない環境で、

  • 今日は利用継続できるか
  • 入浴は可能か
  • 家族へ連絡するべきか
  • 受診を勧めるべきか

その都度、判断を求められます。

ここでは、私が判断で迷ったときに立ち戻る考え方をまとめています。

デイ看護師として働いていると、
日々たくさんの「判断」があります。

そのすべてに、
はっきりした正解があるわけではありません。

だからこそ、
自分の中に「判断の基準」を持つこと
とても大切だと感じています。

今回は、
デイサービス看護師さんや
デイサービスを検討している方
不安に感じている方が

少しでも参考になるように
まとめました。

判断は「数値」だけで決めない

血圧、体温、SpO₂。

もちろん重要な指標です。

しかし、私は数値だけで決めません。

✔ 表情
✔ 声のトーン
✔ 歩行の安定性
✔ 食欲
✔ いつもとの違い

これらを必ずセットで見ます。

デイサービスは「生活の場」です。

“普段のその人”を知っているからこそ、
小さな変化に気づけます。

「いつもと違う」は最重要サイン

デイサービス看護師の判断で
最も大切なのは、

いつもと違うかどうか

です。

例えば、

・体温37.0℃ → 普段36.0℃台なら要注意
・血圧110 → 普段150の人なら要注意
・元気な人が静か → それだけで観察強化

絶対値より「変化量」を見ます。


判断基準は「知識」だけでは足りない

看護師としての知識や経験は、
もちろん大切です。

でも、デイサービスでは、

  • 医師が常にいない
  • 検査ができない
  • 生活の場である

という環境の中で判断します。

そのため、
マニュアル通りでは決めきれない場面
が多くあります。

私が意識しているのは、
「何を一番大切にするか」という
考え方の基準です。


一番の基準は「安全を守れているか」

どんな判断でも、
まず立ち戻るのはこの視点です。

  • このまま続けて、危険はないか
  • 無理をさせていないか

「問題が起きないか」ではなく、
「起きないようにできているか」
を基準に考えています。

たくさん悩んで、失敗してきたからこその
私の大事な基準です。


「無事に帰れるか」をゴールにする

デイサービスの1日は、
医療行為で完結するものではありません。

私の中でのゴールは、
利用者さんが無事に自宅へ帰れることです。

  • 活動を楽しめたか
  • 予定通りだったか

よりも、
「安全に一日を終えられるか」を
判断の軸にしています。


「様子を見る」は判断を先延ばししない

「様子を見る」という言葉は、
とても便利ですが、
あいまいにもなりやすいと感じています。

私が意識しているのは、

  • 何を見て
  • いつまで見て
  • どうなったら次に進むか

を自分の中で決めておくことです。

様子を見る=何もしない、ではない
意識的にしっかりと状態を観察・確認していく、という意識を持っています。


数値より「その人らしさ」

デイサービスでは、

  • バイタルが正常でも心配なとき
  • 少し高めでも普段通りなとき

があります。

そのため、

  • いつもの表情
  • いつもの反応
  • いつもの生活リズム

「その人らしさ」から外れていないか
を大切な判断材料にしています。


迷ったら「慎重なほう」を選ぶ

判断に迷ったとき、
私はよく自分に問いかけます。

「もし、この判断で悪化したら後悔しない?」
「大丈夫だと思う」ではなく
「本当に安全と言えるか?」

その答えが「後悔しそう」なら、
慎重なほうを選ぶようにしています。

迷ったときは、

✔ 入浴を控える
✔ 活動量を落とす
✔ 家族へ早めに連絡する

後悔するより、安全を優先します。

判断には「伝え方」も含まれる

デイサービスでは、

判断=決断
ではありません。

判断+説明
までが仕事です。

例えば、

「今日は入浴は控えましょう」

と伝えるとき、

× 今日はダメです
○ 少し血圧が低めなので、安全のため控えましょう

言葉選び次第で、受け取り方は変わります。

緊急性を見極める3つの視点

私は次の3点を意識しています。

① 意識レベル

普段より反応が鈍いかどうか。

② 呼吸状態

呼吸回数、努力呼吸の有無、SpO₂。

③ 急激な変化かどうか

数分〜数時間で悪化していないか。

この3つが揃う場合は、
迷わず医療機関につなぎます。

👉 急変時の判断ポイントについては別記事で解説しています。
▶︎「急変時対応」はこちら


判断を一人で抱えない

デイサービスでは、
看護師が1人配置のことも多いです。

判断が重なると、
知らないうちに一人で抱え込んでしまいます。

そんなときは、

  • 誰かに相談したか
  • 情報を共有したか

を自分に問い直します。

✔ 管理者に共有
✔ 介護職に観察ポイントを伝える
✔ 家族に現状説明

判断を“共有”します。

一人で抱え込まないことが、
ミス防止につながります。

こうしたプロセスも、
判断基準の一部だと考えています

一人で決めていない判断は、
後から振り返っても納得しやすい

と感じています。


「この判断は説明できるか」

判断するとき、
私はよくこう考えます。

「この判断を、家族や職員に
 落ち着いて説明できる?」

説明できる判断は、
多くの場合、
根拠と目的がはっきりしている判断です。


判断基準は、少しずつ育っていく

最初から、
明確な基準を持てていたわけではありません。

  • 迷った経験
  • ヒヤリとした経験
  • 振り返った時間

それらを通して、
少しずつ形になってきたものです。

ヒヤリ・ハットは判断を磨く材料

過去のヒヤリ・ハット事例は、
私にとって貴重な教材です。

「なぜあのとき迷ったのか」
「どの情報が不足していたのか」

振り返ることで、
判断精度が上がります。

👉 ヒヤリ・ハット事例から学んだことは
「ヒヤリ・ハット体験」の記事をご覧ください。

だから、
今迷っている人も大丈夫です。

そして、
デイサービス看護師として判断に迷ったとき、
この基準をもとに、実際の現場ではどのように対応しているのか。

クレームになりやすい場面と対応、についてはこちらで詳しくまとめています。
▶︎クレームになりやすい場面と対応

▶︎トラブルを防ぐために意識している工夫についても参照してみて下さい。

感情だけで決めないために意識していること

現場では、焦りや不安を感じる場面も少なくありません。

利用者さんの体調が急に変わったときや、
ご家族から強い要望があったときなど、
感情が揺れる瞬間は必ずあります。

ですが私は、

「今の判断は、感情から来ているのか」
「根拠に基づいているのか」

を一度立ち止まって考えるようにしています。

そのために大切にしているのが、

・客観的なデータ(バイタル・既往歴)
・普段との比較
・施設内の共有ルール

です。


「できる」ではなく「してよいか」で考える

デイサービスでは、
「技術的にできるかどうか」で判断しそうになる場面があります。

ですが私が意識しているのは、

“できるか”ではなく、“してよいか”

という視点です。

例えば、

・軽い処置なら対応できる
・爪切りも自分でできる

と思っても、

本当に今この場面で介入してよいのか、
医療機関につなぐべきではないか、

を常に考えています。


デイサービス看護師の判断基準まとめ

私が大切にしているのは、

✔ 数値+観察
✔ いつもとの比較
✔ 迷ったら安全側
✔ 伝え方まで含めて判断
✔ 共有する

デイサービス看護師の仕事は、
“見えない判断”の積み重ねです。

医療行為の多さではなく、
判断の質が求められる仕事だと感じています。



デイサービス看護師の判断を支えている基準は、

  • 安全を守れているか
  • 無事に帰れるか
  • 無理をさせていないか
  • 迷ったら慎重な方を選ぶ
  • 説明できる判断か

といった、
シンプルだけれど大切な視点です。

迷いながらでも、
立ち戻る場所があれば、
判断は少しずつ楽になります。

この文章が、
判断に迷ったときの
「立ち戻る基準」になれば嬉しいです。

判断に悩むのは、いい看護をしようとしている証拠です。

今日も「何も起きなかった」なら、
それは十分に価値のある判断であると思います。

ただ、判断の基準を大切にしていても、
伝え方によって相手の受け止め方は変わります。

そのため、デイサービス看護師として
安心につながる言葉選びで意識していることもまとめています。

▶︎言葉選びで気をつけていること/安心につながる伝え方はこちら

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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