デイサービスでの足トラブル対応について|看護師が現場で判断しているポイント

判断・対応の考え方

―看護師が「抱え込まない」ための
 判断ポイント―

この記事では
現役デイサービス看護師牡丹(ボタン)が、

現場で大切にしている
足トラブルの判断と対応をまとめています。

デイサービスでは、
足のトラブルを抱えている利用者さんが
とても多くいます。

  • 爪が変形・肥厚して切れない
  • 巻き爪で痛い
  • 皮膚が弱い
  • 小さな傷が治りにくい

小さな変化が、
大きな事故につながることもあります。

そしてよくあるのが、
「どこまでデイで対応していいの?」
という迷いです。

迷いを感じている
デイサービス看護師さんや
興味のある方が、

少しでも日々の業務を
楽にすることができるよう、
まとめました。


デイサービスで多い足トラブル 一覧

まずは、現場でよく見かけるトラブルです。

  • 肥厚した足爪
  • 巻き爪・陥入爪
  • 爪白癬(疑い含む)
  • 角質肥厚・胼胝(タコ)
  • 皮膚の乾燥・ひび割れ
  • 小さな傷・擦過傷
  • 靴ずれ・発赤
  • 浮腫による皮膚トラブル

👉 「軽そうに見えるけど、悪化しやすい」
これが足トラブルの特徴です。

一見軽く見える症状でも、
基礎疾患(糖尿病など)がある場合は
特に、慎重な対応が必要になります。


基本の考え方|デイサービスで 一番大切な視点

足を見る目的は「傷」だけではない

足を見る理由は、

✔ 傷の確認
✔ 感染兆候
✔ 血流状態
✔ 浮腫
✔ 靴との適合
✔ 歩行への影響

つまり、

足は“全身状態のヒント”

です。

「処置」より「判断」

足トラブル対応で一番大切なのは、
何かをすることではありません。

・今、ここで対応して安全か
・専門対応が必要ではないか

この判断こそが、
デイサービス看護師の専門性です。

判断①:これは様子観察でいいか?

私はまず、

「今日すぐ受診レベルか?」
を考えます。

受診を考えるサイン
  • 発赤が拡大している
  • 熱感がある
  • 膿が出ている
  • 強い痛み
  • 発熱を伴う
  • 糖尿病既往あり

特に糖尿病の方は、
小さな傷でも油断しません。

判断②:入浴は可能か?

入浴可否は重要です。

入浴を控えるケース
  • 出血が止まっていない
  • 深い皮膚裂傷
  • 化膿している
  • 爪切り直後で出血傾向あり

迷ったら、

「今日は清拭へ変更」

を選びます。

判断③:家族へ伝えるべきか?

私は、

✔ 悪化傾向
✔ 初発の傷
✔ 本人が痛みを訴えている
✔ 糖尿病・血流障害あり

この場合は必ず連絡します。

「小さい傷なので様子見ます」
ではなく、

「現時点では軽度ですが、悪化予防のため共有します」

と伝えます。


ケース別|対応の考え方

肥厚した足爪

  • 無理に切らない
  • 出血・感染リスクを最優先
  • フットケアや医療機関につなぐ判断

👉 「切らない」選択が正解なことも多い


巻き爪・陥入爪

  • 痛み・発赤・滲出液があれば対応外
  • 軽度でも悪化しやすい
  • 靴や歩行への影響を確認

👉 触らず、つなぐ判断が安心

巻き爪・肥厚爪の判断

すぐ切らないケース

  • 爪が皮膚に食い込み発赤あり
  • 出血傾向
  • 爪下出血あり
  • 強い湾曲

無理に切ると悪化します。

私は、

✔ ゾンデで隙間確認
✔ 皮膚との圧迫状態を見る
✔ 痛みの有無を確認

してから判断します。

浮腫は「全身状態」のサイン

浮腫は足だけの問題ではありません。

✔ 体重増加
✔ 呼吸苦
✔ 食欲低下

があれば、

心不全悪化も視野に入れます。

足は“内臓の鏡”です。

爪白癬(疑い含む)

  • デイサービスで治療・削りは行わない
  • 他の利用者への配慮も必要
  • 家族へ状況共有

👉 「見極め」と「説明」が役割


角質・胼胝(タコ)

  • 無理に削らない
  • 痛み・出血があれば対応外
  • 靴や歩き方の影響を観察

皮膚乾燥・ひび割れ

  • 保湿ケアは対応しやすい
  • 清潔・観察・記録を大切に
  • 亀裂が深い場合は医療判断

👉 デイサービスで関われる数少ない
 予防的ケア

傷・靴ずれ・発赤

  • 小さくても軽視しない(特に糖尿病の方は要注意)
  • 清潔保持・観察
  • 悪化兆候があれば早めに共有

デイサービスで怖いのは「靴」

足トラブルの原因で多いのが、

  • サイズ不適合
  • かかとが硬い
  • マジックテープ劣化
  • 靴下の縫い目

小さな摩擦が
皮膚剥離につながります。

私は必ず、

「靴の中」まで確認します。


皮膚剥離の初期対応

高齢者は皮膚が薄いです。

対応の基本

✔ 洗浄
✔ 保湿
✔ 被覆
✔ 摩擦回避

ガーゼ直貼りは避けます。

「対応できること」と「対応しないこと」を分ける

デイサービスで対応しやすいこと

  • 観察
  • 保湿
  • 清潔保持
  • 状況共有・受診提案

デイサービスで無理をしないこと

  • 強い爪切り
  • 削るケア
  • 痛みを伴う処置
  • 出血リスクの高い対応

👉 “やらない線引き”が事故を防ぐ



デイサービス看護師が抱え込みやすい気持ち

「頼まれると断れない」
「少しなら大丈夫かも」

でも、足トラブルは
小さな無理が大きな事故に
つながりやすい分野です。

👉 抱え込まないことが、
利用者さんを守ることになります。


デイサービス看護師として大切にしたい視点

足トラブル対応は、
“ケアの技術”より“判断の質”が問われます。

  • 無理をしない
  • 状態を見極める
  • つなぐ役割を担う

これこそが、
デイサービス看護師の大切な役割です。

足トラブルは「小さな違和感」から始まる

足のトラブルは、
急に悪化することもありますが、
多くは“いつもと少し違う”という違和感から始まります。

例えば、

・歩き方が少し不自然
・靴の着脱に時間がかかる
・入浴後に足を触られるのを嫌がる

こうした小さなサインに気づけるかどうかが、
その後の対応を左右すると感じています。

足トラブル対応で最も大切なこと

それは、

早期発見

です。

重症化してからでは遅い。

デイサービスは、

「気づける場所」

です。


「切る」よりも大切なこと

足爪トラブルでは、
どうしても“処置”に目が向きがちですが、

私が意識しているのは、

「本当に今ここで介入すべきか」

という視点です。

・無理に切らない
・その場で完結させようとしない
・医療機関につなぐ選択肢を常に持つ

これが安全につながると感じています。


ご家族への説明も大切な役割

足トラブルは、ご家族から

「切っておいてほしい」
「前の施設ではやってくれた」

と言われることもあります。

その際は、

・リスクの説明
・施設での対応範囲
・受診の必要性

を丁寧に伝えることも大切です。

「足の爪がかなり厚くなっていて、巻き爪も見られます。
ここで無理に切ると出血や感染のリスクがあります。
専門の対応をご検討いただけると安心です。」


対応そのものだけでなく、
説明も業務の一部だと感じています。


足トラブル対応まとめ

私が大切にしているのは、

✔ 小さな変化を見逃さない
✔ 糖尿病は特に慎重
✔ 処置より判断が重要
✔ 無理な対応は事故につながる
✔ 入浴可否を丁寧に判断
✔ 靴まで見る
✔ 迷ったら家族共有
✔観察・共有・つなぐが基本

足トラブルは軽視されがちですが、

転倒
感染
入院

につながる重要なポイントです。

デイサービス看護師の観察力が、
生活を守ります。


足トラブル対応では、
「どこまで対応するか」の判断がとても重要になります。

そのため、私が現場で大切にしている判断基準についてはこちらでまとめています。
▶︎デイサービス看護師の判断基準の考え方


特に肥厚した爪の場合は、
切る・切らないの判断が難しくなります。

肥厚爪対応についてはこちらで詳しくまとめています。
▶︎肥厚した足爪の爪切り/切る、切らないの判断


さらに、安全に対応するためには、
道具選びも重要です。

看護師目線で選ぶ爪切りニッパーについてはこちらで紹介しています。
▶︎看護師目線で選ぶ爪切りニッパー

実際のニッパーでの切り方や固定方法については、
具体的な手順を別記事でまとめています。
▶︎ニッパーを使用して足爪を切る方法/安全に行う具体的な方法


足処置はヒヤリとする場面も少なくありません。
▶︎ 実際にヒヤリとした経験から学んだことも紹介しています。

この文章が、
悩んでいるデイサービス看護師さんや
興味を抱いている方が、

足のトラブル対応で迷った時の
参考になれば嬉しく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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